私が普段見聞きするニュースや看板を見ていて違和感を感じるものとして次のようなものがあります。
「東大 〇〇名合格!」(予備校)
「修猷館 〇〇名合格!」(学習塾)
「三菱商事、三井物産 他多数 第一志望内定!」(就活塾)
「この売り場で1等〇億円 出ました!」(宝くじ)
「振り込め詐欺にて〇〇万円を振り込んだ/阻止された」(詐欺事件)
東大にこれだけたくさん、修猷館にこれだけたくさんの生徒を合格させていることと(実際は、講習などを受けただけの場合や半年程度しか通っていなくてもカウントしていたりしますが)、自分の子供がその塾で伸びるかどうかと、どういう関係があるのでしょうか。
東大にしても修猷館にしてもですが、中1の成績がオール3だった子が、中3、高3の1年や2年だけ予備校なり塾なりに通って受かることはないです。
そもそも、そういう子は、それまでに受かるキャリアパスを歩んでいます。つまり、中学校の成績が普通にオール5に近いとか、それくらいは当たり前にとれているものです。別に塾や予備校がすごいことをやっているわけではないのです。
高校生において、もともと模試などで届かない位置にいる場合、恐らく、親にしても、子供にしても、その予備校に通えば自分も東大に行けるとか、思ってはいないと思います。
でも、「もしかしたら」という思いがあるのではないかと思います。
就活塾も同じです。
三菱商事であれば、大半を早慶、東大、京大で採って、あと他の国公立、一部、GMARCHから少しずつという感じです。
つまり、大学名で既に決まっているわけです。そういったところに内定者を出したからといって別にその就活塾がすごいわけでもなんでもありません。
でも、「もしかしたら」という思いが同じくあるのではないかと思います。(仮に普通の私大で奇跡的に内定もらっても、大学とは異なり、あまりいいキャリアパスにならないことが多いのですが)
良いことについては「起きるかもしれない」と思い、悪いことについては「起きないだろう」と考える。
つまり、「人は自分が信じたいことを信じる」わけです。
夢を見せることが商売の基本というけども
そのように見ていると、世の中の多くの商売が、「夢を見せる」ことに力をいれているように思います。
美容や、健康にかかわる商売にもその方法はよく見られます。
振り込め詐欺が、なぜなくならないのかといえば、高齢者は「自分を頼ってくれた」ということを信じたいからではないでしょうか。
振り込め詐欺に限らず、人の善意をお金に変える詐欺は多く存在します。
他にも投資系の詐欺も、「夢を見たい・信じたい」という人の心理を突いているように思います。
このような形の商売って本当にいいのだろうか、と思ってしまう人(私)は商売には向いていないのかもしれません(汗)
例え、集客できたとしても、少なくとも、私は人をだますような、そのようなやり方はしたくありません。
一人ひとりと向き合い、本当にその人の「夢」を応援したいと思っています。
それも、テレビドラマなどを通じ、消費を加速させることを考える他人が作った「東京のタワマンに住んで、外車にのる生活」などを目指すのではなく、本当にその人が幸せになれる「夢」を応援したいと思います。