未来技術

今のAIにはできないこと、それはその人に合った答えを出すことと、励ますこと

人工知能にはブームがあり、今は第三次人工知能ブームと呼ばれています。

第一次は1960年代、第二次は1990年代ですが、第二次については、家電で「ファジー理論」とか導入されていたので、40代以降の人は聞き覚えがあるものもあるかもしれません。

今の第三次については、2010年頃から入ってきた、「機械学習」が大きいですね。
機械学習というのは、最近よくAIがイラストを描いたりしているように膨大なデータからパターンをみつけていくことです。

今のAIにはできないこと、それはその人に合った答えを出すこと

何が言いたいかといいますと、現在のAIでは誰が聞いても同じ質問には同じ答えを出しますね。
イラスト生成などだとそうではないと思いますが。パターンをいくつか出してくれるでしょう。
例えば、ChatGPTを使って、何か質問をすると、人によって、その人に向けた最適な答えを出すということは現時点ではできないです。

答えが一つなのは学生時代の勉強くらいのもので、私たちが直面する多くの質問は、「答えがない」問ばかりです。
そのため、現在のAIに質問をすると「一般的な答え」を出してくれます。

「一般的な答え」が参考になる場合もあります。
普通にChatGPTに質問して、「確かにそれはそうだな」と思うこともあります。

しかし、多くの場合は、「この人のこの状況にあった答え」を出すのは前提条件をいくらいれても、現時点では難しいことが多いです。
例えばですが、あるビジネスプランを作ろうと考えた時、その人の強みに重なるようにAIがアドバイスをしないと合わない答えになります。その人が苦手とすることをテーマに選んで進めたらいい、と言われてもこまりますね。
そのため、現時点のChatGPTでは条件を詳しく入れる必要があるのです。

もう少しすると人に合わせた対応はできるようになる可能性はある

普段、私たちが使うグーグル検索なども、ログインして使うことで、「その人に合わせた」検索結果を出しています。これは、「その人の趣向に合わせた検索結果」ですので、一部は実現できているとは言えます。

ほかにも、今後はこういうことができるようになるという例を出します。

例えば、食事のアドバイスなどであれば、その人の血液検査の情報や普段の運動量、過去の食事などの分析データを読み取るなどすればできるでしょう。

技術的には部品部品ではできていることです。例えばライザップに通って、食事のアドバイスをするといったことは食事の写真データから成分を仮定で分析し、現在のその人の体の状態から何を今後食べるといいのか、減らすといいのかは言えます。

ただ、どれだけAIが進んでもライザップのようなサービスはなくならないです。
どれだけ、正確な食事アドバイスや、運動アドバイスをしても決してできないことがあります。

それは、「頑張りましょう!」「いいですね!」と人の心にうったえることです。

AIは人を励ますことはできない

音声を出したり、その人の頑張りに応じた「応援」は当然できます。
でも、人はAIに励まされても、なかなか力はもらえないのではないでしょうか。

人が、人に励まされて元気になったり、もっと頑張ろうと思えるのは、そのメッセージをくれたその人の心が伝わるからです。
心というと曖昧ではありますが、その人自身が自分を思ってくれている、そういう感覚ですね。

人が人を励ますことができるのは、その年まで生きてきた重みと言えるかもしれません。見知らぬ5歳の子に、「頑張って」と言われても、なかなか「頑張ろう」とは思えないでしょうし、励みにはならないと思います。
ある程度生きてきて、その人が、経験をもって何か自分のことをわかってくれて「頑張って」と言ってくれることに重みがあるわけです。

長い年月を一緒にAIと過ごすと認識が変わる可能性はある

人は、点を2つ書いて、下に横棒を一本引くと、「顔」と認識しますね。
もともと、そういう認識能力が人にはあるのだと思います。

こういった、非常にシンプルなものに対しても、「人」に近いものだと認識する傾向が人にはあるのだと思います。
小さい子が、ぬいぐるみに対して、まるで生きているかのように接するのを見たことがあると思います。
例えば、打ち上げ花火のそばで、ぬいぐるみがうるさいと感じないように、小さい子がぬいぐるみの耳をふさいであげたりしたりしますね。

この点から予想すると、おそらく、人が、数年などの長い間、(自分と会話をし)機械学習を重ねたAIと接すると、あたかも、「生き物」のように錯覚しだすのではないかと思います。

人は自分に言葉が欲しい生き物です。
自分と長く接することで自分に最適化されたAIに対しては愛着を持つ可能性もあります。

アマゾンアレクサなどは、そういうところを狙っているように思いますが、近い将来、

「ウチのAI、結構性格きついんだよね~塩対応が多いというか」

「そうなの?ウチのAIは、基本、穏やかであまりアドバイスすらしてこない」

その人に合わせた、その人の情報を持った、長い付き合いのAIは、その人の「相棒」になるのかもしれません。
映画で多くのAI搭載型のロボットが出てきましたが、人の「勘違い」がカギなのかもしれません。

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