学生の悩み

就職すると遊べなくなるらしいので、学生の間は遊んだ方がいいの?

学生から質問を受けることもある内容です。

「学生のうちに遊んでおいた方がいい」という考えと、「学生のうちに資格や専門技術を身につけて就職に有利にしておいた方がいい」という考えの両方があるけど、どちらがいいのか、ということです。

社会人に聞くと、「今のうちに遊んでおいた方がいい」と言う人が多いような感じがします。

こういう質問に対する答えはないように見えて、実は結構、答えはあります。

「遊ぶ」と一言で言っても、何をするのか、ということが重要になってきます。
その本人が何を目指すかで学生時代に何をするといいのかは決まってきます。

そのことについてお伝えいたします。

結論 その人にとって重要だと感じることに時間を費やせばいい

選択は「遊ぶ」か「勉強」するかの二択ではありません。
本当は、就職する前、後にも関わらず、その人にとって重要だと感じることに時間を費やすことが大切です。

「重要」とはその人によって当然異なります。
自分は外資系の企業に行きたいと考えているのであれば、語学は当然使える前提になりますので、語学を身につけることが必要になるでしょう。
メーカーやソフトウエア会社でエンジニアになりたいと考えているのであれば、自分の専門分野の知識や、情報系の資格などが必要になるでしょう。
サービス業へ就職したいと考えているのであれば、サービス業のアルバイトなどを経験しておくと、状況もわかるようになるでしょう。

このように、希望する就職先から学生時代にどういう時間の使い方をするのかを考える方法もあります。

しかし、それだけではありません。
もし、「彼女・彼氏」や「親友・友人」がいたり、なんらかのサークルなどに入っていた場合、その人たちと接する時間や人間関係について考えなければならないことが増えるかもしれません。

将来でも、人間関係でもなく、「海外に旅行をたくさんしたい」「読書をたくさんしたい」「いろいろなスポーツをしたい」「ゲームをしたい」でも本当はいいのです。
何を得られるか、という理屈で考えるのもいいですが、自分の気持ちが望むものに時間を割いてもいいです。

ただし、就活では自分が多くの時間を割いたことについて、「何を得たのか」ということはよく聞かれますので、「ゲーム」などの娯楽に時間を割く場合は、自分で言葉にできるようにした方がいいです。
決して「ゲーム」が悪いわけでは全くありませんが、それに一番時間を割いたというのであれば、それを説明できるようにしないと、「時間を無駄にしていた人」と思われてはもったいないです。

学生で、よく「ゲーム」しか自分はしていないので、学生時代に力を入れたこととして書くことができない、という人がいます。
実は、それは「ゲーム」で得たことを言葉にしていない、もしくは、自分で価値を感じられていないだけです。

「ゲーム」でも、例えばオンラインゲームであれば、メンバーを募ったり、戦略を立てたりといろいろとやりとりをしたりしていることもあります。そうすると、そこでは、人間関係が出てくることもあります。その中で、何を得たのか、自分は何をしたのか、ということが言えるということもあります。
「ゲーム」しかしていないから、言うことはない、ということはありません。

「重要」というのは将来を考えての「重要」もあれば、人間関係などの今の状態における人間関係などの「重要」なこともあります。
そして、「自分がやりたい」と思った「重要」もあるのです。

そもそも就職すると遊べなくなるの?→学生より約70日休日は減る

専門学校は少し状況が異なりますが、大学の場合は、毎年、4ヶ月の長期休みがあります。
学校によって多少異なりますが、春休みが2ヶ月、夏休みが2ヶ月の合計4ヶ月です。
理系の場合は、土日休みがあったとしても、1,2年生のうちは少なくとも課題などが多く、そのうちのどちらかしか空いていないかもしれません。文系の場合は割と土日はそのままアルバイトしたり遊んでいる人も多いように感じます。

社会人の休暇についてですが、年間にどの程度の休日をとっているかというと、115日が平均です。(令和4年就労条件総合調査の概況より
これは、土日休みと祝日を合わした日数が年に120日くらいですので、若干それより少ないという感じですね。

大学生の休日は、4ヶ月の長期休み、土日、祝日を合計すると、
120日(長期休み)+120日(土日祝日)ー56日(長期休みの土日祝日)=184日

確かに、平均的な社会人よりも、約70日少なくなります。2ヶ月強ですので、短いは短いですね。
でも、もともと、大学生にしても、長期休みや祝日はアルバイトをしたりしていますので、必ずしも本当に短くなるとは言えません。

ただ、感覚はというと…自由な時間は本当に減ったように感じます。
それは、大学は実際には、朝から晩まで授業が入っているわけではないですし、アルバイトにしても自分の都合で休んだりできます。
その点、就職すると、自分の都合で休んだりするのは、権利としてはもっていますが、なかなか簡単に休めなくなりがちとは言えそうです。

そういう意味でも、感覚的には「社会人になると遊べなくなる」というのはその通りと言えるでしょう。

また、就職してからは休日も結構、仕事に時間を割くということは一般的です。
仕事の時間だけ仕事について考えて、会社を出たら仕事のことは一切考えないというのはかえって難しいでしょう。

気持ちの上でも、「遊べなくなる」のかもしれません。

「仕事」が「遊び」との違いがなくなる

「仕事」ができる人の特徴として、「仕事」と「遊び」の区別がないということがあげられます。
「遊ぶように仕事をする」と言えばいいでしょうか。

なんらかの道で一流と呼ばれている人は、「お金のために仕方なく働く」というようなスタンスではないでしょう。
スポーツでも芸術でも、起業家でも経営者でも。

そもそも、「お金のために仕方なく働く」という気持ちで、ハイパフォーマンスは出せないでしょう。

なんらかの部活などを体験していたらその経験はあると思います。
どれだけ体格に恵まれていた人だとしても、部活に入ったからと仕方なく練習に参加している人と、体格に恵まれていなくても、自分なりの目標、目的をもって練習に参加している人とでは、成果が変わります。

なにより、「熱量」が違います。
その「熱量」を持って仕事に臨めば、悪いようにはならないように思います。

少なくとも、その「熱量」を持っている人は、仮に失敗しても、もう一度挑戦して、より大きな成果で返してきます。

「仕事」ほど楽しい「遊び」はないという人もいます。
ただ、楽しいと楽は違いますので注意してください。
楽しいということは、ラクでは決してありません。

サッカーや野球などのなんらかのスポーツが楽しいといっても、それがラクで楽しいわけではないですよね。
それと同じことです。

就職をしたら「遊べなくなる」という考え方は少し視野が狭いように感じます。
目一杯、やりがいをもって遊ぶように仕事をしている人からすれば、「就職したら遊べなくなるから、遊んでおけ」なんて言わないです。

「就職したらしたで、もっと面白いぞ!」
きっとこう言うでしょう。

仕事を楽しんでいるわけでもなく、義務感でやっている人や仕方なくやっている人なら、そういうセリフは出ないですね。

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