日々、就活生と指導していく中で、「誰のための就活?」というケースがあります。
つまり、「誰から、どう思われるための就活」になってしまっている人もいるということです。
これは、受験などでも時々起きるのですが、「誰かのために」と頑張るのは、一見、「素晴らしいこと」というように見られるかもしれません。
はっきり言いますが、それは間違っています。
「人のため」と、「自分のため」が完全に重なっているのであればなにも問題はありません。
「自分のため」というのは思おうとしていることであって、本当は、「自分のため」でなかった時には後から苦しくなります。
受験は、ある決まった範囲の勉強をして、それを暗記して時間内に出すことができれば全員受かります。
そこに、人の主観はあまり入りません。要は「記憶力」と「理解力」のテストであり、非常に単純です。
しかし、就活は、主観の塊のような試験です。
SPIなどで足切りのためにWebテストはありますが、それが主ではありません。
公務員の試験のように、民間よりもペーパーの試験に比重が置かれているものもありますが、基本は、面接官の主観次第です。
なぜ主観のテストなのか
なぜ、主観のテストがまかり通るのかと言えば、本当は公務員も同じなのですが、どんな組織も「人と人」で成り立っているということです。
どんなに優れた技術や商品があろうとなかろうと、結局のところ、「人が人に」サービスをして、「人が人に」お金を支払います。
その点、公務員は、「人が人に」支払うというところが異なります。どんな組織も「人」が中心ではあるのですが、「仕組み」で動いている組織なので、ペーパー試験のような「仕組み」で採用するのです。
民間企業は毎年予算が落ちてきて、勝手に売り上げになるようなことは通常はありません。
もちろん、空港会社や放送局など、既得権益を獲得していて、民間でありながらも公務員と変わらないような仕事もあります。
どんな組織であっても、結局のところ、入社してから「主観」で判断されます。
それならば、採用だって「主観」で判断されるものです。
成果主義とはよくいいますが、その「成果」は誰が判断するのでしょうか。売り上げなどは数字だと言いますが、どこに配属されるかで、売り上げの数値も必ずしも比較できるとは限りません。
主観で就職先は選ぶ
結局、組織の大半が「主観」で選ぶ以上、就活生も「主観」で選ぶことが大切なのです。
それをしないと、自分の「主観」でないところで選ぶと、組織の「主観」と自分の「主観」がずれてきたときにストレスになります。
だから、自分の「主観」で組織を選ぶ必要があります。
本当は、就職先だけではありません。
何かものを買う時なども全部そうです。
自分の「主観」で買ったものはハズレが起きにくいのです。もちろん、人の「主観」というものは変わるので、あとで「これは違うな」となるときももちろんあります。その時は買い替えるとか、転職すればいいのです。
繰り返しますが、自分がどのようにどういうところで働きたいか、というのは本当はある程度あります。
それがわからなければ、自分なりに少しでも「楽しそう」と思えるところを選べば良いのです。
仕事など、9割が大変で、楽しいと思えるようなことは1割もないかもしれません。
でも、その1割があるかないかで、頑張れるか頑張れないかは変わります。