就活の悩み

自分に合う会社の見つけ方、一つは平均年収からわかる

自分に合う会社がわからない、という人の話はよく聞きます。
会社を見る基準として、平均勤続年数や、平均年齢、平均年収などがあります。

誰だって給与はいい方がいいとは思います。
ただ、それに見合った仕事をする覚悟はありますか?ということです。
楽で給与がいいところというのは、基本的にはありません。

年収が高いところは仕事がハードである、これは確実です。
大学生に働き方のアンケートをとると、半分近くは安定したところがいい、休日もきちんと欲しいと思っているようです。
その場合、組織で働くのならば、給与の高い会社は辞めた方がいいです。

今回は平均年収からわかる平均勤続年数などを整理してみます。

平均年収と平均勤続年数の関係

就職四季報(東洋経済新報社 2024年度)の「平均年収ベスト100」のトップ10を使って整理してみます。

順位社名業種平均年収[万円](平均年齢)平均勤続年数従業員数
1(株)キーエンス電機2,182(36.1歳)12.52,599
2ヒューリック(株)不動産1,803(39.5歳)6.2189
3伊藤忠商事(株)商社1,580(42.0歳)18.24,170
4三菱商事(株)商社1,559(42.6歳)18.55,571
5住友商事(株)商社1,556(43.1歳)18.55,150
6三井物産(株)商社1,549(42.1歳)18.15,494
7丸紅(株)商社1,469(42.3歳)17.64,379
8ファナック(株)機械1,457(40.3歳)14.44,257
9東京エレクトロン(株)電子部品1,413(44.0歳)16.41,771
10(株)ディスコ電子部品1,383(38.1歳)10.91,761
平均--1595.1(41.0歳)15.13534
就職四季報 東洋経済新報社 2024年より抜粋

これらの企業が学生を多く採用している大学は、早慶がやはり多く、あとは旧帝大、関関同立、GMARCHといったところです。ただ、業界が偏りすぎているかなと思います。商社と、電子・電機系だけですので。ヒューリックはそもそも、単体では数名から10名程度とほとんど採用しておらず、そもそも従業員数もかなり少ないです。

商社は昔から給与がいいといわれますが、現在でも変わらず、そして勤続年数も長いという、まさに一度入ったらずっといるような人たちが多いということになります。商社において、Windows2000と呼ばれる(窓際族でも年収2000万円)人たちがうらやましいと若手は言っていますが、それだけ若い時はハードワークということでしょう。

大手商社勤めは海外勤務もありますので、本当に仕事に打ち込む人でないと務まりません。海外勤務はイヤだとか、ライフワークバランスとか言っている人はやめた方がいいです。ただ、商社勤めの人は、海外の人と人脈も作りやすいようで、退職して自分で海外に商社を作ってしまう人などもいますね。

これだと、業界が絞られすぎていますので、次に業界別の平均給料を見てみます。

業種別平均給与

同じく就職四季報に載っている「会社比較366社」をもとに業種別の平均給与を出してみました。一部、わかりにくい業種名はイメージのつく内容に変更しています。平均年収の単位は[万円]です。平均年収順に38業種を並べてみました。

順位業種平均年収[万円]
1コンサルティング1060
2出版897
3建設862
4住宅・医療機器他857
5化粧品・トイレタリー829
6化学(材料、繊維、テープ他)814
7商社・卸売業794
8住宅・マンション788
9衣料・繊維781
10ガラス・土石778
11非鉄金属製造(リサイクル、鉱業他)772
12電機・事務機器760
13鉄鋼業749
14金属製品749
15銀行743
16食品・水産(ビール会社、製パン他)736
17機械(農業機器、空調設備、工具、鉄道、自動ドア他)730
18印刷・紙バルブ726
19電子部品・機器720
20その他メーカー(楽器、寝具、給湯器他)715
21通信サービス(携帯ショップ)711
22政策金融・金庫710
23不動産699
24輸送用機器(造船、清掃車、ダンプ他)692
25運輸・倉庫686
26医薬品682
27自動車部品677
28システム・ソフト(情報システム会社など)652
29証券624
30デパート619
31コンビニエンスストア617
32その他サービス(警備、建機レンタルなど)607
33スーパーマーケット566
34外食(レストランなど)・中食(お弁当など)545
35家電量販店・薬局・ホームセンター517
36その他小売り(衣服販売、自動車販売店、自転車販売他)517
37人材・教育(派遣・学習塾など)516
38レジャー(スポーツクラブなど)473
就職四季報 東洋経済新報社2024年版「会社比較366社」より算出

※出版は東洋経済新報社に学研グループと(株)KADOKAWAを加えて算出し、コンサルティングは(株)建設技術研究所に野村総研とみずほリサーチ&テクノロジーズ(株)と(株)三菱総合研究所を入れて算出

ここから見てわかることは、

飲食店や販売店など生活に身近な業界は給料が安く、基本的に直接消費者が接することのない業界は給料が高いということです。

商社などはハードワークで給与は高いが、逆にハードワークでも給与の安い仕事もある

いま、まとめた表からわかることは、明らかに残業時間なども多いと思われる業種が対して給料が高くないということです。
先に書きましたが、飲食店やスーパーなどの販売店は休みも不規則だったり、イベントに応じて勤務する必要があります。

生活に身近な仕事は給料が安くなりやすいと書きましたが、もう一つ給料が安くなる仕事があります。

給料が安くなるのは「みんながやりたがる仕事」です。
逆に高くなるのは「みんながやりたがらない仕事」です。

みんながやりたがる仕事としては次のようなものです。

幼稚園や保育園で子供の相手をするというのは、人によっては大好きな人もいるでしょう。
また、本屋などは本が好きな人にとっては最高の空間かもしれません。
ただ、どちらも一般的に給料は安くなります。
カフェなどもそうですね。大手チェーンの本部の役員ともなれば別ですが、店長クラスだと大してもらえないでしょう。
塾なども「やりがい搾取」をされやすい業界です。「やりがい」があるんだから、無給でも働け、みたいな風潮ですね。

みんながやりたがらない仕事の一例です。

開業医は給料は平均的に給与は高いことが多いです。
しかし、学生時代のうちから医学部を目指して医者になりたいという人がどれだけいるでしょうか。
それなりの覚悟をもって臨む必要があります。
もっとも、家系的に代々続いていたりすると、そのままやらなければならない場合もあるでしょう。

建設業も3Kと言われて大変だと思われる職場です。
ただ、それなりに給料がいいです。
オフィスでの設計もありますが、基本、現場での仕事も多くあります。
現場の下請けの業者さんにどのように指示を出すのかなど、非常に多くのスキルも求められます。

自分がどのように働きたいのか。

仕事にどこまで入れ込むのか、それによって選ぶ会社も変わってきます。
給料はその指標になります。

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