大学生からよく聞かれる質問の一つに、
「就職に有利になる資格はなんですか?」
というものがあります。
私が普段担当している学科は理系なので、確かに理系の技術系の資格は大事と言えば大事です。
でも、ずば抜けた資格じゃないと、そこまで有利にはなりません。
ずば抜けた資格というのは、英検1級とか(理系は準1級でも評価されます)、簿記1級とか、応用情報技術者試験とか・・まぁ、いろいろありますが、普通の大学生には難しいのでは、という資格です。
それより大切なのは、物語を話せるかどうかなんです。
就活・転職で必要な物語とは?
転職などであれば、特に数字が大事です。
数字というのは、営業成績だとか、集客人数だとか、いろいろと数字によって、自分の実績を示すことができます。
新卒学生の場合は、数字で話すというのはなかなか難しいと思います。もちろん、映画を1年で200本見ているとか、そういう数字はいいですね。相手に伝わる、自分の実績になります。ゲームを毎月〇本やっていて、使った時間が何時間とかですね。ゲーム会社などであれば、それも一つの伝えやすい数字になります。
ここで、伝えたい「物語」というのは、「あなたらしさ」がわかる物語です。
コミュニケーションの基本は自分の考えていることを、相手も同じイメージを想像できることです。
あなたの見てきたこと、感じたことというのは、あなただけが感じて見たものです。
それをたんたんと話すと、本当に何も伝わりません。
例えば長所などを話すときなどに、自分のアルバイトのことを話すとします。
そのときに、
「私は〇〇のアルバイトを通じて、〇〇に力を入れてきました。そこで得たことは〇〇です。」
はい。一言で言って、つまらないんです。その話し方ですと。
商品のスペックを聞いているようで、その人が見えないんです。
話す内容はそれだとしても、話し方というものがあります。
「私はアルバイトを通じて、その人のやる気の出し方を見つけました。それは、こういう人がいて、こういうことがあったのですが~」みたいな感じですね。
面接官だって、「人のやる気の出し方」なんて聞きたい話です。「そんなのあるの?」って。
そこで興味を持ってもらってから、ストーリーに入っていくようにします。
物語は人を動かすんです。
だから、多くのブランドには歴史や物語があるんです。ただ、高いだけで物語のないものは買いません。
物語にあなたが現れる
面接官が「え?」と思えるようなことで興味を引いてから、自分の体験が相手もイメージできるように話をしていきます。
その時の行動があなたを表します。
そこで、共感を得られたらしめたものです。
だから、面接では、「あなたの感動したことは?」とか、そういうことを聞きます。
面接官がいろいろな角度から質問をするのは、「あなたは誰ですか?」これしか聞いていません。
そこで、自分の物語を話すと、「あの時の〇〇の人ですね」と印象づけることができます。
ただ、自分のやったことや、得たことを、箇条書きに話してもつまらない、ということを覚えておいてください。
内容も大事なのですが、話し方で相手にどのように印象に残るかは全く異なります。
もちろん、ビジネスの報告でストーリーを語ることは普通ないです。
ただ、営業や接客の場合は物語が役に立つこともありますね。
いつも物語(構成)を考える
いきなり自分の経験を物語で即興で話すというのは難しいものです。
普段から、電車の移動時間などで「こんなことを聞かれたら、こういう風に話そう」というようなことを考えてみてください。
そして、それをスマホにメモをするようにしてください。
一字一句メモをする必要はありません。
構成だけをメモをして、それを話せるようにしてみてください。
この構成を覚えるということは結構大切で、面接で暗記はダメですよ、というのと同じことです。
これとこれは伝えようという構成を覚えておくと、その時に合わせて話すことができます。
構成とは、ワード(単語)のことです。
それを、3つくらいにまとめておく、そんな感じでいいです。
もちろん、その構成からリロード(再構成)できないとなりませんので、それも含めて練習をしてみてください。