この質問も、実際に学生からもらった質問です。
身もふたもない回答をすると、
「他社から内定をもらっておくこと」です。
営業でよく使う方法ですが、ある分野のキーとなる企業にどんな形でもいいので使ってもらって、それをもって、「〇〇社にも導入していただいております」というと、導入してもらえる可能性が高くなります。
人は、「他の人が評価しているのなら、それは信頼できそうだ」と思ってしまう傾向はありますね。
では、それ以外のコツについてお伝えいたします。
(その1)企業分析が他人よりも深いこと
誰だって、企業分析はします。
名前しか知らない会社を受けに行くということはしないと思います。分析する切り口について少し例をあげます。
- その会社の生い立ちは何か
- どういった分野に強いのか
- 何で主に売り上げているのか
- どこの国、地域での売り上げが大きいのか
- 今はどういう方向に向かおうとしているのか
- その会社が一番大切している価値観はなんなのか
- どういう社員がいるのか
- どういうサービス、もしくは商品を出しているのか(過去と現在)
- 平均給与や平均勤続年数、平均年齢から会社にはどういう人たちが多いと予想されるのか
- インターンシップや説明会ではどんな人がどんな話をしていて、何を伝えようとしていたのか(毎回インターンシップに応募することは必須!仮に通らなくてもいいので、少なくとも興味は伝わる)
- 競合他社はどこにあたり、どういう関係にあるのか
- 口コミサイトではどのような社員がどんなことを言っているのか(注意が必要)
- どういう大学から採用が多いのか(仮に自分がそうでないのならば、どうして受けるのかを明確に)
他にもまだまだありますが、知っている社員がいたりすると、一番、リアルな話を聞くことができます。
また、その業界紙などに紹介されていたりすることもあります。
大きな会社になると、経営者が本を出していたりもしますね。
絶対にダメな方法を言うと、企業のホームページの情報だけで調べることです。
スピーカーやパソコンを買うなら別にホームページと口コミだけで十分でしょうけど、企業分析は、自分なりのレポートを作るくらいのつもりで進めます。薄く、何十社も調べるより、深く数社を調べた方がいいです。
いろいろな集まりに顔を出して、名刺交換だけしてうすっぺらい(お互い覚えてもいない)関係を積み重ねても意味はないですよね。それより、何か、事業を作るとか、何か人数は少なくとも深い関係の方が、今後につながるし、それこそ、人脈になるのと同じです。
調べれば調べるほど、その会社のことが好きになるようになったらそれはいい線行ってます。
(その2)自分の強みを明確に言葉にしていること
自己分析をすることで、自己PRができあがります。
学生に限らないのですが、多くの人が、「自分に自信がない」ということを言います。
「長所なんてない」とか、「特にガクチカ(学生時代に力を入れたこと)がない」とかですね。
そうなってしまうのは、考えられることは2つあります。
- 「できる」というのを非常に高いところにおいているので、自分なんかできるうちに入らないと思っている
- 学生時代、本当に価値があると思えるようなことをしていなくて、ガクチカが見つからない
1の場合、そもそも、「何をもって〇〇ができる」と言っていいのかわからないのが学生としてはあります。
「この程度で、〇〇ができると言ってもいいのだろうか」
実際、そういった質問も受けます。
そういう場合は事実だけを伝えればいいです。
資格などであれば、一番正確に伝えることができますが、特に資格などがない、もしくは資格を取っていない場合もあります。
技術系であれば、「〇〇ができます」ということを具体的に伝えます。
モノヅクリ系(ハードウエア、ソフトウエア共に)であれば、そのモノを作ったことを見せたりできればいいです。
そうすれば、「〇〇の部分はどうやっているの?」という質問ももらえますし、関係者であれば、一目みるだけで相手のレベルはわかります。
2の場合の方が多いような気がします。
特にこれといって、学校の課題とアルバイトしかしていない、という答えですね。
それ自体は別にいいのですが、そのアルバイトの中で何を意識して、何を得たのかを話すようにします。
でも、それでも困る人もいますね。
別に言われたことを言われた通りやっていたので、何かを意識していない、という場合もあるかもしれません。
そういう場合は、「今から意識する」のです。
自分が今から意識して、アルバイトでも学業でもいいので「何か」を意識して取り組むのです。
そうすると、たとえ一週間それを続けるだけでも得るものや気づきがあります。
ない時は、今から作ります。
今のようなアルバイトで何かを得た系でなくても、資格などでも結構とれるものはあると思います。
昔と違い、最近はWeb試験が増えてきたことで、難関の試験でない限りは割と毎月受けることができたりします。
(その3)自分の価値観を明確に言葉しておくこと
企業分析のときにも、企業が何を目指し、どういう人に来てもらいたいかというのか、その価値観を調べる必要があるとお伝えしました。
それと同時にに自分の価値観は何か、ということです。
何より安定が欲しいのか、自分らしく自由に働きたいのか、お金が一番欲しいのか、世の中に自分のアイディアを問いたいのか、人の役に立つことが、一番うれしいのか、こういった価値観というのは人により異なります。
西新ベースでは、社会人に使う「キャリア・アンカー」というものを少し学生用に変えて使ったりすることで価値観のヒントにもしますが、この価値観を自分なりに掘り下げて自分は何に一番価値を感じるのか、ということをはっきりさせておく必要があります。
そして、どうしてそう思ったのか、もしくは理由が見つからなくても、その価値観の結果、自分がとった行動などもあるといいでしょう。
(その4)1~3を使って志望理由を作り上げる
その1と3が深堀できていれば、それほど難しいことはないと思います。
どうして、その会社に入りたいのか、自分が入ることでどんなことができるのか。
会社の価値観、雰囲気と自分の価値観があっていると、採用側はしやすくなります。
あえて、まるで違うタイプをとることもありますが、基本的には組織の仲間を探しています。
そして、言われたことを言われた通りにまずはできること。
そして、簡単にねをあげないこと。
そして、自分なりの考えも出せるようになること。
そして、リーダーシップ、もしくはなんらかの専門性をもって動くことができること
会社などの組織に入ると、基本的には日々ルーチンワークになります。(広い視点でみると)
そうしたとき、会社の方針に従って、業務を遂行してくれる人を望んでいます。
ただ、あえて破天荒な人たちばかりを求めているとか、それぞれ企業にはカラーがあります。
平均勤続年数を見ると、仲間を求めているのか、同志を求めているのかなど異なります。
また、採用大学がわかる場合、自分がその多い大学に入っていると、有利にはなりますが、それだけで採用されるということは当然ありません。
学歴はたとえ、東大であったとしても、それだけ通るようなことはありません。
なぜなら、勉強ができることと、仕事ができることは、イコールとは限らないからです。
学歴がなまじ高い人の方が注意する点があるかもしれません。
ただ、学歴が高いにも関わらず、謙虚に調べ、自分を高め、組織に貢献しようと思っている人は有利でしょう。
他のページにも書きましたが、学歴が高い学生を多く採る企業は今でもありますが、それは、それだけ大変でも他人よりも耐え抜く力があると思われるからです。
たとえ、有名大学でなくても、勝ち方はありますが、もともと旧帝大を中心に集めているような旧来の組織であれば、わざわざそこに入る必要はないのではないかとは思います。ただ、それでも、何か燃えるような想いがあるのならば、受ける価値は十分あります。
まとめ
自分の価値観=企業や組織の価値観
であることを確認することです。そして、それを採用担当者に伝えることができればいいです。