教え方

「教え方」が下手な人のNGな行為「わかりましたか?」

教え方が下手な人がやってしまいがちなことのNGな行為をいくつ例にあげます。
「教え方」というのは、生きるすべての人に必要な能力と言えます。
社内での提案でも、営業、接客、子育て、説得・・・生きるすべての人が磨いた方が良い能力の一つです。
もちろん、就活では大変役に立つ能力です。
なぜなら、面接は自分を「教える」ことだからです。

「教え方」の動画などでも誤って説明されていることの一つに、
「相手が理解しているかを確認せずに話し続けてしまいがちなので、相手に確認をしましょう」
ということがあります。

確かに相手が理解をしているかどうかを確認することは大切なのですが、

「わかりましたか?」
「ここまでの説明でわからないことはありませんか?」

これははっきりいって、NGな行為の一つです。
「わかりましたか?」と言われて、「わかりません」とはなかなか言いずらいものですし、何を質問されているのか理解をしていない場合は、「何がわからないかがわからない」ので「わかりました」と言わざる得ないのです。質問をしたくてもそもそもできないのです。

ポイント①「わかりましたか?」ではなく、逆に聞いている相手に説明させる

少しくり返しになりますが、説明をしたり、教えている側というのは、自分が話していることが伝わっているかが不安なので、

「わかりますか?」
「質問はありませんか?」

と聞きます。
そして、「わかりました」と言われて安心して話を進めていきます。
しかし、これはまずい方法とも言えます。
なぜなら、「理解しているかどうか」を相手に質問し「理解している」と言ったから、相手が理解をしていなくても自分の責任ではないという風にしているのです。

そのように聞くのではなく、相手が理解をしているか、具体的に質問をします。
例えば、先輩や上司が部下に教える場合であれば、あるところまで説明したあと、

上司・先輩「では、〇〇の部分は、どうなっているのか簡単に説明してもらえますか」

教えている側は、教わっている側が、どういうところでづまづきやすいかを考え、そこを逆に説明したあとに、質問をして、理解をしているかの確認をします。(教える側が理解の早い人だと、どういうところでつまづきやすいのかを考えるのが苦手です)

勉強などであれば、「わかった?」と聞くのではなく、「では、〇〇は、どうなるか教えてもらえる?」と聞きます。
つまり、理解していないと答えられない質問をしたり、似たような設問を解いてもらうようにします。

このように「わかりましたか?」ではなく、相手に自分が質問をして、説明をしてもらうという確認は手間はかかりますが、一番、確実に相手の理解を深め、逆に誤解しているところなどを見つけることもできます。
そのため、一見、遠回りに見えますが、一番ロスなく伝わります。

ポイント②教えている相手から100回同じことを聞かれても怒らない

教えている側が、理解の早い人の場合、理解の遅い人を理解できないということがあります。そのため、同じことを何度も聞かれると怒り出してしまう人が多いです。

上司や先輩が部下に「なんで質問しないんだ」じゃないんです。
質問できるような環境を作っていない、上司や先輩に問題があります。

教えている側が理解や記憶力がいいと、何度も同じことを聞いてくる部下にイライラします。
人は「自分が当たり前にできることを、他人ができないことに腹が立つ」ものです。

でも、それをやったら上司失格なんです。
確かに、その上司から見ればその部下は無能に見えるかもしれません。

でも、指導するのもその上司の仕事ですよね。
無能な部下がいるんじゃないんです。
どうすれば、その部下が活きるかを考えるのが上司の仕事です。

同じことを100回聞かれるのであれば、自分の説明が悪いのではないか、相手がメモをとっていることを確認していないのではないか、など、自分なりにどうすれば相手が理解し、覚えるかまで考える必要があります。

もし、本当にその部下がその場でうまくやれないのであれば、求められている仕事がオーバースペックなのかもしれません。
その場合は、相手の考えを聞きながら、どうするかを考える必要があります。

本当に相手が覚えないなどの場合は、隠れた障害の場合や、メンタル面での問題を抱えているときもありますので注意が必要です。

ポイント③相手の理解スピードと知識を把握しながら説明をする

極論を言ってしまうと、「理解の早い人」は「説明が下手」なことが多いです。
話すスピードと、その1回に話す量に注意が必要です。

よく講義などでもよくあるのですが、講師は何度も同じことを教えているので、もうわかりきっているわけです。
そうすると、ついつい時間を気にしたりして一気に話してしまうんですね。
初めて聞く人にとってはわかりにくいことにも関わらず、自分がわかっているからさっさと進めてしまうこともあります。
これは、いわゆる説明が下手な人です。「何を言っているのかわからない」なんて言われますね。

理解の早い人は、自分の思っていることをそのまま、ざーっと話されてもそのまま同じスピードで理解をします。
理解のスピードというよりも、聞く相手が話をためられる量というものがあります。

ワーキングメモリともいわれるのですが、人は、相手が話した内容を、一度頭の中にためてから理解しています。
この理解が早いとワーキングメモリもいっぱいになることはありません。

また、ワーキングメモリが少なく、理解が遅い人の場合は、一気に話すと、後半は全部聞き流されます。
理解に進む前に、ワーキングメモリがすぐにいっぱいになってしまうからです。

この理解スピードは相手の興味や知識による部分も大きく、相手が良く知っていることであれば、一気に話せるのですが、相手があまり知らないことだったり、興味を持っていないことの場合は、スピードを落として、話を区切りながら、先ほどのポイント①で確認しながら話をします。

まとめ

「教え方」はとても奥が深く、まだまだお伝えしたいことがあります。
今回はよくある例を3つあげました。

特に「わかった?」という確認は意味がない、ということだけは少なくとも覚えておいていただければと思います。

数百人を教えていて感じたことは、この理解力や記憶力に関しては、正直、人の体力差より何倍も差があります。

例えば、100mを10秒で走る人もいますが、遅い人でも20秒あれば走ることはできますね。
つまり、体力差であればタイムで言えば2倍程度だったりします。

ところが、この理解力、記憶力に関していうと、人によって10倍以上は差があるのではないかと感じます。
脳については体力のように目に見えない分、本当に差が大きいです。

だからこそ、教え方は相手に合わせて考える必要があります。
これは、面接だって同じです。
相手の目線の位置、質問から考える興味、手元のメモの取り方などを見ながら話しをします。

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