結論から言うと、「得意なことを伸ばし、苦手なことはなるべく触れない」です。
このことは、多くの著名な経営者の方たちが話されています。
しかし、学生時代の勉強においては、その逆が求められていましたので、迷ってしまうのは当然です。
何か特定の科目の点数を伸ばすのではなく、苦手な科目がなるべく足を引っ張ることのないように、どの科目もまんべんなくできることが求められてきました。
どんなにある科目が得意でも100点以上は取れません。それよりも、苦手な科目を克服する方が合計点が高くなります。多くの入試や成績では合計点で評価されます。
では、社会人になるとなぜそれが逆になるのかということについてお話します。
すでに就職している人ならば感じると思いますが、会社などのなんらかの組織では、それぞれ仕事を分担して担当し、チームで仕事をしています。
もちろん、どんなこともまんべんなく得意な人もいることはいますが、それよりも、何かに特化して得意なことがある方が重宝されます。
その何かに特化していることがあるからこそ、「あの人は⚪︎⚪︎が得意だ」と言われるようになります。
そうすると、その人はそのことで、会社に大きく貢献することができるのです。
どれもまんべんなく、そこそこできる、ということはあまり求められていません。もちろん、組織が小さく、なんでも担当しなければならない時ということもありますが、それよりも、何が得意なのか、ということを自覚し、周りも評価しているのであれば、その人はなくてはならない人になれます。
もう一つ、苦手なことに触れない、というのは、得意なことを伸ばすよりも、苦手なことをなくす方が何倍も労力がかかるからです。
そんなことをするくらいなら、苦手なことは他の人に任せて、自分は得意なことで貢献した方が仕事においては全体として大きな成果を出すことができます。
このチーム戦ということが、学生のテストと、社会人の仕事の違いなのです。
もっとも、得意なことも苦手なこともある方が普通です。そのため、上司はその人の特性を見ながら、仕事の配置をすることが求められます。向かない人に向かない仕事をやらせると、本人と会社や組織にとってマイナスです。