気分の波で、今の仕事に前向きになれないということもあるでしょう。
そういうことではなく、今やっている仕事そのものに前向きになれないのなら、自分と組織にとって辞めた方がいいです。
ただ、どういう理由で前向きになれないのかを考えて、結論をだせればと思います。
辞めた方がいい場合をいくつか書きます。
これ以上得られることがないと感じる場合
「就職した時には、とても前向きだったのに、数年経ってきて仕事にも慣れ、特に得られることがない」
という場合、これは本当に辞めた方がいいことです。
数年〜10年経つと仕事も慣れ、ベテランにもなってきます。
自分の立ち位置もはっきりしてきて、仕事を回すこと自体は特に問題はなくなるでしょう。
多くの人は、それでいいのです。
そのまま、20年、30年と続けて定年退職を迎える人が多いです。
ただ、今の仕事に疑問を感じてしまう人の場合は、それは去る時です。
情熱を持てない仕事ならばやめた方がいい、と思って働いている人たちもたくさんいます。
さまざまな分野で「一流」と呼ばれる人たちに多いです。
普通の人は、一つの分野、一つの業界で十分なのです。
別に新しいことを得たいとか、情熱を持ってはたらきたいとか、そこまで仕事に求めていない人が大半です。
もしくは、仕事は仕事として割り切っているので、十分な収入を得ることができるのであれば、生活のために続ける、そして、自分が働くことによって、自分の家族を養うことができる、これもとても素敵な考えです。
ただ、それでは満足ができない人もいます。
そういう人は仕事を変えた方がいいのです。
次にやってみたいことがある場合
今いる職場も決して悪いわけではないけども、次にこれをやってみたい、という気持ちがある場合も、辞めた方がいいでしょう。
人によりますが、同じ仕事を、同じ業界を続けられる人と、そうではない人がいます。
今やっていることよりも、他に興味がある分野や業界、もしくは働き方があるのであれば、自分で道を開いてみるべきです。
それが、起業などの場合であれば、サラリーマンとは違い、だいぶ苦労はしますが、それでも、やらないよりはいいです。
やって、路頭に迷うかもしれませんが、覚悟を決めましょう。
他人がどういうかは聞く必要はありません。
サラリーマンしかやっていない人は、サラリーマンの仕事しか薦めないでしょう。
でも、ある人が、自分である事業を興してみたいというのであれば、やってみればいいのです。
ただ、多くの場合は、自分と同じ分野、もしくは関連する分野で事業を興す方がいいといいます。
それもその人次第です。
実際、お金を公庫などから借りる場合も、自分が開こうと思っている業界で働いた経験を持っていることが望ましいと思われています。自分が何も知らない業界で事業を興すというのは、難しいのではないか、と思われるからです。
それでも、自分が今までいた分野と全く違う分野で事業を興すのでも、私はいいと思います。
足りない部分は自分で学んだり、補えばいいのです。
やったことがないから、やらない、と言っていたら、今の銀行業界のように淘汰される存在になっていくでしょう。
仕事が非常にストレスの場合
何がストレスなのか、ということもあります。
ただ、自分が働く中で、体調を壊すくらいにストレスだったり、精神が不安定になってしまうような場合は辞めた方がいいです。
もちろん、体調を壊すまで働け、というわけではありません。
自分が働く中で、「もう、これ以上は無理だ」と感じる時は考えた方がいいです。
ただ、できれば、友人や先輩、もしくは知り合いの大人など、自分の周りの大人に相談してみてください。
(親もいいのですが、親はどうしても自分の味方になってしまっていたり、世代的に考え方が合わないなど、注意する点があります)
世代が上になると、どうしても、「我慢してでも働くものだ」というような考えを持っている人もいますので、自分がしっくりくることを選んでください。
この人が言う答えだから、正しい、ということはありません。
また、「ストレス」といっても、何がストレスなのかということがあります。
その仕事全てがストレスということもあれば、その職場がストレスということもあります。
また、上司や先輩や後輩がストレスということもあるでしょう。
そもそも、ストレスが全くない仕事というのは、そもそもないでしょうから、そのストレスがどういう類のものかにもよります。
何がストレスなのか、部署を変えればいいのか、事業所を変えてもらえばいいのか、解決策はいろいろあります。
組織が大きい場合は、相談できる場所があったりもしますが、組織がそれほど大きくない場合は、社内に相談できる場所がなかったりしますので、外部の相談できるサービスを利用するというのも一つの方法です。
どちらにしても、自分だけで考えないことが大切です。
ChatGPTなどを利用してみると案外、客観的な答えから参考になることもあります。
その仕事や業界に全く興味がない場合
なぜ、その職場を選んだのかと言われてしまいそうな選択を、してしまうことがあるものです。
もしくは、内定が出たのがその会社だったから、あまり深く考えずにその組織を選んでしまった、というようなこともあります。
最近は、内定を何個ももらって進める人が多いですので、それだけ、仕事選びに慎重になっていると言えます。
ただ、全員がそういうわけでもなく、また、人によっては、職場を選ばず、どこでも活躍できるような人もいます。
つまり、「職場や仕事の内容」がなんであろうと、結果を出せるタイプの人と、「職場や仕事の内容」次第で結果を出せる、出せないが変わる人とがいるのです。
適材適所といいますが、職場問わずで成果を出せる人ならば、そもそも、仕事を間違えたとは感じません。なぜならば、その仕事の内容などにもともと興味がないからです。仕事は仕事として割り切って働くことができます。
ある分野でないと、成果を出せない人というのがいます。そういう人は、職場や仕事の内容を間違えると、本当に苦しい目に遭います。他の人からみると、なんであんな簡単なこともできないのか、というくらいにパフォーマンスが落ちてしまったりもします。
そういう人は、もう一度、自分が生きる上で、何に価値を置いているのか、どういう働き方をしたいのか、ということを考え直すことで、自分の働き方や、職場、仕事が見えてきます。
もう、何歳だから無理だということは大抵の場合、ありません。ざっくりですが、40代くらいまでであれば、なんでもまだできるでしょう。もちろん、50代、60代でもできるとは思いますが、また少し変わってくる気がします。
60代になると定年退職した後の話ですので、そこは、20代、30代の時に悩むこととは大きく異なります。正直、定年後であれば、何をやっていても別に、余生として自由にやられたらいいだけかと思います。その点、20代、30代のまだ、仕事の経験が少ない中で仕事を選ぶ時は何倍も大変です。
もっとも60代といっても、組織にいて定年退職をした60代と、自分で起業をしたり、フリーランスとして働いていた時の60代とでは大きく異なります。
50代、60代になると、自分の経験もありますので、何を選択すれば、どういう道になるのか、ある程度はわかります。
ところが、20代、30代となると、その自分の経験が少なく、そもそも、自分がどういう分野で力を発揮できるのか、または苦手なのかもわかりにくいです。若い方が可能性があることが確かなのですが、その足りない経験をどうやって補いながら働くのかを考える必要があります。
まとめ
仕事に前向きになれないなら辞めた方がいい、ということで、それがどういう場合なのかについてお伝えしました。
もちろん、これ以外にも仕事を辞めた方がいい状況もあるでしょう。
自分が本気になれるステージはどこなのか。
ステージによって、パフォーマンスが変わる人がいます。
そのステージがないなら、自分で作るしかありません。
誰かが用意してくれるようなことは普通はありません。
私の尊敬するアンパンマンの作者のやなせたかしさんは、ご自身のことを大器晩成ではなく、古希晩成と言われていました。
古希とは70歳のことです。
人に喜ばれることを死ぬまで続ける覚悟を持って生きた人ですが、やなせさん自身、ずっと自分はなんのために生まれてきたのか、ということを考えていらっしゃいました。アンパンマンのマーチの歌詞はやなせさん自身がずっと考えていたテーマだと言われていました。
仕事をする上で、ステージを選ぶことも大事ですが、いかに自分が最高のパフォーマンスを出しているかどうか、知恵を出しているのか、汗をかいているのか、やれることを全てやる、その覚悟があれば、道は開ける。
私は、そう信じています。