仕事の悩み

仕事ができる人は、依頼された仕事にすぐにはとりかからない

仕事ができる人は、はたから見ていると行動が早いと感じると思います。
しかし、やみくもに言われたことをしているのではなく、何の優先度が高いかの見極めがうまく、時間に無駄がないので結果を出すのが早いのです。
その具体的な方法についてお話いたします。

シングルタスク(一つの仕事)とマルチタスク(複数の仕事)

学生時代のアルバイトと、就職してからの仕事において、大きく違う点があります。
それは、ある時間には一つの仕事しか任されない(シングルタスク)ケースと、同時に複数の仕事が平行している(マルチタスク)の違いがあることです。もう一つは、アルバイトは仕事一つにかかる期間がすぐに終わるものが多いことに対し、社員になると、一日で終わるような仕事はむしろ少なく、もっと長期的に進めないとならない仕事もある点です。

シングルタスク(ある時間には一つの仕事だけしか依頼されていない)

上司から指示だされたことに対し、すぐにとりかかることで通用するのは、シングルタスクの仕事の場合です。
シングルタスクとは、ある時間には一つの仕事だけしか依頼されておらず、その目の前の仕事を順にこなしていけばいいというような場合です。
アルバイト先の普通の上司であれば、仕事の順序やそれにかかる時間を見越して指示を出してくれるでしょう。

新入社員であれば、こういった仕事の出され方をするかもしれません。
言われたことを順番に一つずつ進めていけばいいというスタイルです。

長く働く社会人が、この形で仕事が依頼され続けるということはあまりないでしょう。

マルチタスク(ある時間に複数の仕事が依頼されている)

このマルチタスクというのは、もともとはコンピューター用語です。複数の処理を分割して、あたかも同時に進めているように見せることです。ビジネスのシーンでは、会議に参加しながら議事録を書くこともマルチタスクと表現されているようですが、ここではそういう意味には使いません。

ある人に複数の仕事がまかされた状態、これをこなすことをマルチタスクと表現します。
一般的な社会人であれば、そのような仕事の形が多いと思います。

その依頼された仕事のそれぞれのボリュームも、納期も、また関係する人も異なっている場合もあります。

これを、言われたことや、「どうなっているんだ」と指摘されたものから順にとりかかる、というようなことをやっていいわけがありません。

もし、言われたことにすぐとりかかっていたら、今やっている仕事も、さっきまでやっていた仕事もどれも食べかけのようになってしまいます。複数の仕事の中で、優先度の高いもの、納期の近いもの、などをみながら仕事を進める必要があります。

もう一つ大事な視点として、その仕事の全体像を見ているかどうかということがあります。何かの仕事で思いつくところからはじめていたら、その仕事は行き当たりばったりの手順になります。

多くの仕事は、自分ひとりで完結するものではなく、他の人との関係がある場合もあります。その全体像を見たうえで、自分は何をいつまでにすれば良いのかを考えます。その具体的な方法を次に述べます。

週のはじまりに一週間の仕事の計画を立てて、一日のはじまりにも仕事の計画をたてる

仕事が早いということは、無駄な動きが少ないとも言えます。もちろん、良く知っていることは、すぐにできるとか慣れていないことは時間がかかるということはあります。でも、全体像が見えている中で行動をするのと、何も考えずに、とにかくとりかかるのとでは、かかる時間は大きく変わります。

すぐにとりかかって仕事を早く終えたい、という気持ちはいったん抑えて、とりかかる前に全体像を、ノートなどにいったん、書いてみる。1日で終わるような仕事であればすぐにできますが、一カ月、二カ月、またはそれ以上かかる仕事の場合は、その仕事を分割していきます。

とりかかる前に、何をしなければいけないのか書き出す、そして、それぞれをいつまでに終えるのか、ざっくり計画をたてる、そのうえで仕事を始める、という風に進めてみてください。

計画を立てるとは、週のはじまりに、「この仕事は今週はここまで進める」、一日のはじまりに、「この仕事は今日はここまで進める」ということを適当な紙にそれぞれ書くことです。(ガントチャートを使ってきれいに書こうとしなくていいです。人に見せるものではなく、自分がわかればいいだけですので、それは時間の無駄です。ただし、複数の人に見せて進めるものは別です。)

ある程度期間の長い仕事の時には、その予定を見直す(修正する)ことも忘れないでください。

そして、そのざっくりした予定を目に見えるところにおいておくのです。

学生時代にたてた勉強の計画表は、つくっただけで役に立たなくなってしまうことが多いのは、その都度その都度に、計画表を見直さないからです。学生の場合の勉強の計画もマルチタスクといえますが、範囲が決まっているので、それぞれの勉強のボリュームの全体像を洗い出して、それを日数で割れば1日の勉強量はでます。社会人の仕事の難しいところは、正確なボリュームを洗い出すことが難しいということがあります。

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